スマートシティ

スマートシティ(Smart City)は、IoT、AI、ビッグデータ、自動運転、クリーンエネルギーなどの先端技術を駆使して、都市全体のインフラを最適化し、住民の利便性や防災力を高める次世代の都市構想です。

ソフトウェアだけでなく、それを支える電力網、重電インフラ、センサー、通信基地局といった「物理インフラ(ハードウェア)」の強みが不可欠となるため、株式市場でも非常に息の長い、かつ広範囲なテーマとなっています。

バリューチェーン別に、日本の主な関連銘柄を整理しました。

1. 物理インフラ・重電(HALO / フィジカルAIの中核)

都市の「エネルギー供給」や「スマートグリッド(次世代送電網)」、「交通インフラ」の最適化を担う、最も重要かつ参入障壁の高いセクターです。

  • 日立製作所 (6501)
    • 本命株。 都市運営の脳となるITプラットフォーム「Lumada(ルマーダ)」を軸に、鉄道、電力(グリッド)、ビル管理(エレベーター)などのフィジカルインフラを丸ごと最適化できる世界的なトップランナー。
  • 三菱電機 (6503)
    • ビルシステム、空調(省エネ)、電力、ITS(高度道路交通システム)に強み。都市全体のエネルギーマネジメントシステム(BEMS/CEMS)で高い実績。
  • ダイヘン (6622)
    • スマートシティに不可欠なEV(電気自動車)の急速充電システムや、電力自動化機器、再生可能エネルギー向けの変電設備に強い。

2. 実証実験・都市開発(デベロッパー)

自社が保有する巨大な土地(アセット)を活用し、スマートシティをゼロから構築・実証している企業です。

  • トヨタ自動車 (7203)
    • 静岡県裾野市で、自動運転やロボット、AIを街全体に組み込んだ実証都市「Woven City(ウーブン・シティ)」の開発を主導。スマートモビリティ(移動の最適化)のプラットフォームを握る構え。
  • パナソニック ホールディングス (6752)
    • 神奈川県藤沢市などで「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン」を先行展開。住宅の省エネ、スマートホーム設備、街区全体のセキュリティを一括提供。

3. 通信インフラ・エッジAI(データ収集・通信)

街中に張り巡らされるセンサーや防犯カメラ、自動運転車両が発する膨大なデータをリアルタイムで処理する通信基盤です。

  • 日本電信電話 (9432 / NTT)
    • 光技術を用いた次世代情報通信基盤「IOWN(アイオン)」を推進中。スマートシティが求める「超低遅延・超省電力」の通信インフラの絶対的基盤。トヨタともスマートシティプラットフォームで資本業務提携。
  • キーエンス (6861) / オムロン (6645)
    • 人流の計測や交通量の監視、スマートビルの自動制御に欠かせない「超高性能センサー」の供給企業。
  • 東京電力ホールディングス (9501) / 関西電力 (9503)
    • 各家庭の「スマートメーター(次世代電力量計)」から得られるビッグデータを活用した、地域の省エネ・防災インフラの運用を担う。

4. ITシステム・防災・プラットフォーム

収集したデータをクラウド上で解析し、行政サービスや防災に役立てるシステムインテグレーターです。

  • NEC (6701)
    • 世界最高水準の「顔認証・画像認識技術」を持ち、スマートシティのセーフティ(防犯・防災、観光DX)分野で多くの自治体へ導入実績。
  • 富士通 (6702) / NTTデータグループ (9613)
    • 都市のデータ連携基盤(都市OS)の開発・構築を担う。災害時のシミュレーションや、交通渋滞の予測システムなどを手掛ける。

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