産業用ロボット

日本の「産業用ロボット」セクターは、世界シェアの過半数を握るお家芸とも言える強豪分野です。

足元では、従来の工場自動化(FA)需要に加え、NVIDIA等の高性能チップを組み込んで自律的に動く「フィジカルAI(物理的AI)」との融合という特大のテーマが急速に立ち上がっており、各社が巨額の投資を打ち出しています。

主要な関連銘柄を、システム(完成品)と、それを支えるコア部品(減速機・モーター等)に分けて整理しました。

1. ロボット本体・システムメーカー(世界4強の一角)

産業用ロボットの世界4強(ファナック、安川電機、ABB、クーガ)のうち、2社が日本企業です。

  • ファナック (6954)
    • 世界首位級。 黄色いロボットで有名。工作機械用の数値制御(NC)装置で世界シェア5割、産業用ロボットでも圧倒的。NVIDIAと協業してロボットへのフィジカルAI実装を強力に推進中。
  • 安川電機 (6506)
    • 本命の一角。 自動車の溶接・塗装ロボット等に強み。足元ではフィジカルAI分野に1,200億円規模の投資を投じる方針を打ち出し、ソフトバンク等ともヒト型ロボット活用で協業。モーターやインバータを自社で握る強みを持つ。
  • 川崎重工業 (7012) / 不二越 (6474)
    • 川重は自動車向け大型ロボットやクリーンルーム用半導体搬送ロボットの老舗。不二越(NACHIブランド)は自動車組み立て分野に強み。

2. コア部品:精密減速機(参入障壁の極み)

ロボットの関節部分に不可欠で、モーターの回転を正確に制御・減速させる「精密減速機」は、日本企業が世界市場をほぼ独占しています。

  • ハーモニック・ドライブ・システムズ (6324)
    • 中小型の精密減速機で世界シェアトップ。ロボットの細かな指先や関節の動きに不可欠な「波動歯車」を握る。足元では業績が大きく上方修正されるなど復調。
  • ナブテスコ (6268)
    • 中大型のロボット関節用精密減速機で世界シェア約6割を誇る独占的企業。自動車工場などの大型アーム用は同社が絶対王者に君臨。

3. モーター・制御・周辺機器

ロボットを「命令通り正確に動かす」ための駆動部や、空気圧制御のトップランナーです。

  • SMC (6273)
    • 工場の自動化・ロボットの「手(チャック)」の駆動に不可欠な空気圧機器で世界シェア約4割(国内6割)のモンスター企業。強固な財務と高収益体質が特徴。
  • 三菱電機 (6503)
    • 工場自動化の脳となる「PLC(シーケンサ)」や、正確な駆動を担う「ACサーボモーター」で国内首位。ファクトリーオートメーション全体のプラットフォームを握る。

4. センサー(ロボットの「目」)

フィジカルAI時代において、周囲の環境を認識して自律行動するために最も重要性が増しているセクターです。

  • キーエンス (6861)
    • ロボットの「目」となる高性能センサー、画像処理システムで圧倒的利益率を誇る。
  • オムロン (6645)
    • 制御機器大手。センサーとロボットを組み合わせた「止まらない工場」のソリューションに強み。

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