ペロブスカイト太陽電池(PSC)は、日本発の結晶構造技術を用いた「軽くて曲がる」「室内の薄光でも発電できる」次世代型太陽電池です。従来のシリコン型で必須だった「平坦で頑丈な設置場所」を必要とせず、建物の壁面、耐荷重の低い屋根、耐震補強中のインフラ設備やEVなどへの設置が期待されている国策級のGX(グリーン・トランスフォーメーション)テーマです。
バリューチェーンは「原料(ヨウ素)」「完成品(モジュール)」「製造装置・高機能部材」の3つに大別されます。
主要関連銘柄
| 区分 | 銘柄名(コード) | 主な特徴・強み |
| 主原料(ヨウ素) | 伊勢化学工業 (4107) | 日本が世界シェアの約3割を占める「ヨウ素」の国内最大手。どのメーカーが勝っても需要が増える構造(ピック&ショベル)。 |
| K&Oエナジーグループ (1663) | 千葉県産ヨウ素・天然ガスの開発企業。ヨウ素精製能力の拡張に投資しており純国産資源の強み。 | |
| 完成品・量産 | 積水化学工業 (4204) | フィルム型で先行する本命。独自封止技術で耐久性を向上させ、旧シャープ堺工場等でGW級量産化を推進。 |
| パナソニックHD (6752) | ガラス建材一体型(BIPV)の旗振り役。建物の窓や外壁をそのまま発電体にするインクジェット塗工技術に強み。 | |
| カネカ (4118) | 超薄型フィルムや、シリコンと重ね合わせる「タンデム型(高効率型)」でトップクラスの変換効率を保持。 | |
| 装置・高機能部材 | ヒラノテクシード (6245) | ペロブスカイト層を高精度に塗り伸ばす精密塗工(塗工機)の基本特許・技術を保持。 |
| アルバック (6728) | 量産プロセスで必要となる真空成膜装置の大手。設備投資サイクル本格化の波を受ける。 | |
| 東レ (3402) / コニカミノルタ (4902) | 弱点である「湿気・酸素による劣化」を防ぐ超高バリアフィルムや封止材を供給。 |
評価の視点
- 「ヨウ素(原料)」の構造的優位性ペロブスカイト太陽電池は全重量の数パーセントにヨウ素を使用します。日本は南米チリに次ぐ世界第2位のヨウ素生産国(千葉県の天然ガス田等)であるため、地政学リスクが低く、伊勢化学やK&Oエナジーはモジュールメーカー間の規格争いに左右されにくい強みがあります。
- 実用化・量産のタイムライン積水化学やパナソニックなどが実証・初期導入を順次進めており、サプライチェーン構築が進んでいます。一方で、足元はテーマ期待先行で評価されている銘柄もあるため、「材料・装置」と「完成品大手(総合化学・電機)」へのポートフォリオ分散が重要となります。
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