InP(インジウムリン)基板

InP(インジウムリン)基板は、次世代の高速通信やAIデータセンター、光量子コンピュータなどの超高速・大容量通信に不可欠な化合物半導体材料です。

物理的な特性として、従来のシリコン(Si)基板に比べて電子の移動速度が非常に速く、「電気信号」と「光信号」を極めて効率よく変換できる(発光・受光特性に優れる)という強みを持っています。近年のAIブームに伴うデータセンター内のトラフィック爆発により、「光通信(シリコンフォトニクスなど)」への移行が急務となっており、いま空前の活況を迎えています。

以下に、InP基板の基本概要と、市場をリードする主要な関連銘柄をまとめました。

InP(インジウムリン)基板が注目される理由

  • 光データ通信の心臓部 データセンター内のサーバー間を結ぶ「光トランシーバー」の発光素子(レーザーダイオード)や受光素子として必須の材料です。
  • 物理的な限界の突破(HALO・物理アセットの強み) 銅線による電気通信は速度と発熱(電力ロス)の限界に達しつつあります。これを光に置き換える「光電融合」技術において、InPは代替の利かない強力な物理的基盤です。
  • 日本企業の圧倒的シェア InPウエハー市場は、世界的に見ても日本企業が極めて高いシェアを握る「お家芸」の分野です。

主な関連銘柄(ウエハー製造・装置・周辺技術)

世界シェアの大部分を握るメガプレイヤーから、製造を支える装置・部材メーカーが主な関連銘柄となります。

1. ウエハー(基板)製造・二大巨頭

  • JX金属(非上場 / ENEOSホールディングス【5020】傘下) 住友電工と並ぶInPウエハーの世界最大手クラス。AIデータセンター向けの需要急増に対応するため、茨城県の工場へ約200億円の追加投資を行い、生産能力を倍増以上に引き上げる増産体制を敷いています。親会社であるENEOSの株価にも好影響を与える材料として注目されています。
  • 住友電気工業【5802】 JX金属、米AXT社と並ぶ世界3大メーカーの一角。光通信用デバイスの結晶成長技術に強みを持ち、InPウエハーから光デバイスまで垂直統合的な技術力を保有しています。データセンター向け光トランシーバー用部材の世界的需要を取り込んでいます。

2. 結晶成長装置・製造部材

  • 大陽日酸(三菱ケミカルグループ【4188】) 化合物半導体の膜を形成するMOCVD(有機金属気相成長)装置の国内最大手。InPなどの化合物半導体を基板上に精密に成長させるプロセスにおいて、同社の装置や超高純度ガスは不可欠です。
  • エイチ・エル・オー(HMT)やエピタキシャル関連企業 ※直接的な単結晶ウエハーだけでなく、その上に光素子を形成する「エピタキシャルウェハ」を受託加工するメーカー(アイ・オー・データ機器傘下のジェー・シー・アイや、各種化合物半導体のファウンドリ)も、中長期的に恩恵を受けます。

3. 周辺デバイス・光トランシーバー(需要先)

  • 古河電気工業【5834】 / 住友電気工業【5802】 InP基板を用いたレーザーダイオードや光トランシーバーそのものを製造・開発するプレイヤー。特に古河電工は光通信用レーザーで世界屈指のシェアを持ち、データセンターの「光電融合」シフトの直撃メリットを享受しています。
  • アンリツ【6754】 InP基板を用いた超高速光デバイスの「通信計測器」で世界トップクラス。光通信網が高度化・高速化するほど、同社のテスター需要が高まります。

日経平均は 新高値を追い続け、7万円を突破!
開業2002年。23年の歴史を誇る情報サイト、NJI!
2026年も独自の視点で情報を提供いたします。
会員専用のサイトで、グロース市場を中心に新興個別銘柄の値動き、市況、株価に影響を与える個別材料・注目点・投資のヒント等をタイムリーに情報提供。
相場の流れを掴み、各種情報から投資先を選定していきたいという方におすすめです。

お申込みはこちらから