全固体電池

次世代バッテリーの「本命」として、EV(電気自動車)の航続距離や充電時間を劇的に進化させる「全固体電池」。

2026年現在、自動車メーカーや素材各社は「2020年代後半の本格量産(2027〜2028年頃)」に向けた実証ラインの稼働や製造プロセスの最適化を進める、非常に重要なフェーズ(産業化の前夜)にあります。

既存の液体リチウムイオン電池と異なり、液漏れリスクがなく、耐熱性・エネルギー密度が極めて高いため、重電やフィジカルなインフラを支えるアセットとしても期待されています。主要な関連銘柄をサプライチェーン別に整理しました。

1. 開発を牽引する自動車・完成品メーカー(大本命)

実用化のロードマップを牽引し、自社での量産・搭載計画を明確に打ち出しているトップランナーです。

  • トヨタ自動車 (7203)
    • 世界最多の全固体電池関連特許を持つ本命。 出光興産とタッグを組み、硫化物系固体電解質の量産に向けて実証プラントを稼働中。2027〜2028年のEV搭載を目指す。
  • 日産自動車 (7201)
    • 自社開発の全固体電池を搭載したEVを2028年度までに市場投入する計画。独自の積層技術などに強みを持つ。
  • マクセル (6810)
    • 車載用に先駆け、「産業機器向け(FA機器、医療等)」の硫化物系全固体電池の量産化を世界で初めて開始。 足元の業績貢献やニッチトップとしての実需で注目される。

2. 固体電解質・原材料メーカー(付加価値の核心)

全固体電池の性能を左右する「固体電解質」や、その原料となる特殊化学材料を握るセクターです。

  • 出光興産 (5019)
    • 石油精製の副産物である「硫化水素」を活用し、硫化物系固体電解質の開発で先行。トヨタとの強力な提携体制が最大の強み。
  • 三井金属鉱業 (5706)
    • 固体電解質「A-SOLITE」を展開。すでに実証設備を拡強しており、車載向けサンプル供給の実績が豊富。
  • オハラ (5218)
    • 酸化物系固体電解質(LICGC)に強み。ガラス技術を応用した材料で、低温でも作動しやすい特性を持つ中小型の材料株。

3. 製造装置・プロセス技術

「液を注入する」工程から「粉体を精密に成形・積層・圧着する」工程へと変わるため、製造装置の刷新が不可欠です。

  • 平田機工 (6258)
    • 自動車の生産ライン構築で世界展開。EV用バッテリーの組立・製造ラインの自動化で高いノウハウを持つ。
  • 三井ハイテック (6966)
    • モーターコア(EVの心臓部)の超精密金型で世界首位級だが、電池の電極板や積層プロセスにおける精密加工技術での応用期待も根強い。
  • 澁谷工業 (6340)
    • 液体充填(ボトリング)の老舗だが、再生医療や精密パッケージ技術で培った「高度なクリーン環境・封止技術」が、水分を極端に嫌う硫化物系電池の製造プロセスで注目される。

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