ジェンスン・フアン氏来日

今回のジェンスン・フアン氏の来日(2026年7月15日〜16日)において、彼が「日本を代表する並み居る巨大企業とのパートナーシップを発表する」と明言している通り、AI・半導体・ロボティクスのサプライチェーンに不可欠な企業群が注目を集めています。

これら「同行・関係する企業リスト」を、先ほど触れたマテリアル・半導体企業も含めて、役割・強みとともに一覧化しました。

ジェンスン・フアン氏来日・提携関連 企業リスト

企業名(証券コード)NVIDIAエコシステムにおける役割2026年現在の主な動向・注目ポイント
※セガサミーHD (6460)パートナー(歴史的協業)30年来の絆。来日初日に秋葉原でイベントを開催し、2027年発売予定の『バーチャファイター クロスロード』をRTX Spark搭載の実機で披露。
※キオクシアメモリ(次世代高速ストレージ)HBMの容量限界を突破する「NVIDIA Storage-Next」に適合した超高速SSD(GPシリーズ)を開発。2026年末に向けて実用化へ。
※味の素 (2802)半導体パッケージ素材(ABF)最先端AI半導体の基板絶縁に不可欠な「ABFフィルム」を独占供給。AIの物理インフラ(ハードウェア)の復活を支える。
※信越化学工業 (4063)材料・基板(シリコン・クオーツ)半導体ウエハ世界首位。超高速通信と高熱に耐える次世代の「クオーツクロス(石英ガラスクロス)」の提案・量産体制を強化。
※日東紡 (3110)基板素材(超極細ガラス繊維)AIサーバー基板の歪みを防ぐ「Tガラス(スペシャルガラス繊維)」で世界シェア約90%を独占。日米のテック企業による争奪戦。
※ソフトバンク (9984)パートナー(AIデータセンター)国内最大級のNVIDIA GPU搭載データセンターの整備を急ピッチで進めており、日本の「ソブリンAI(主権AI)」インフラ構築の最右翼。
※さくらインターネット (3778)パートナー(政府クラウド・AIインフラ)政府公認のクラウド基板として、NVIDIA製GPUの大量調達・データセンター拡充を主導。日本のローカルAI・フィジカルAIの土台。

1. キオクシア(旧:東芝メモリ)

【GPUの「限界」を突破する次世代フラッシュメモリ】

キオクシアは、NVIDIAの次世代AIアーキテクチャに深く食い込んでいます。

  • NVIDIA Storage-Nextへの対応: 2026年3月に、NVIDIAの新しいデータ処理構想「NVIDIA Storage-Next」に適合した超高速SSD「KIOXIA GPシリーズ」の開発を発表しています。
  • HBM(広帯域メモリ)の容量制限を打破: これまでAI処理はGPU直結の超高速メモリ(HBM)の容量制限に縛られていましたが、GPUがキオクシアの超高速SSDに直接アクセス(XL-FLASH技術を採用)することで、実質的にGPUが使えるメモリ領域を劇的に拡張できるようになります。
  • 大化けの予感: 2026年末までに評価用サンプルの出荷を開始する予定で、NVIDIAのデータ集約型AIシステムを裏で支える最重要インフラ企業として、再び強い注目を浴びています。

2. 味の素

【半導体パッケージ層の「絶対王者」】

調味料の会社として有名ですが、半導体業界では「味の素がなければ、すべての最先端AIチップが出荷停止になる」と言われるほどの独占企業です。

  • ABF(味の素ビルドアップフィルム): ナノレベルの回路を何層にも積み上げる最先端の「パッケージ基板」を絶縁するために必須の素材です。
  • NVIDIAチップへの独占供給: NVIDIAの現行フラッグシップ(H100やBlackwell、そして今回の来日でも話題の新型SoC)の高性能パッケージにも、例外なくABFが使用されています。味の素はAIブームによる「重厚長大なインフラ・ハードの復活」を体現する、まさに「ヘビー・アセット(物理インフラ)」側の上流企業です。

3. 信越化学工業

【極限の熱とスピードに耐える新世代ガラス・石英基板】

半導体の「シリコンウエハ」世界首位であるだけでなく、次世代パッケージング技術の覇権争いの主役です。

  • クオーツ(石英)布による次世代化: AI半導体のさらなる高速化・高熱化に伴い、従来の樹脂基板から「ガラスや石英(クオーツ)を使った基板」への移行が急ピッチで進んでいます。
  • 大増産への動き: 信越化学は、従来のガラスクロスを超える超高速通信特性を持つ「クオーツクロス(石英ガラスクロス)」について、顧客(NVIDIAや大手基板メーカー)への提案と大規模な生産体制の整備を急速に進めています。半導体の物理的限界を材料工学の力で引き上げるキープレイヤーです。

4. 日東紡(日東紡績)

【世界シェア9割。AIサーバー基板を支える超極細ガラス繊維】

信越化学と並び、基板の次世代マテリアル競争で圧倒的なポジションにいるのが日東紡です。

  • 「Tガラス」で市場をほぼ独占: 高性能AI半導体の基板に不可欠な、熱による歪み(反り)が極めて少ないスペシャルガラス繊維「Tガラス」で、日東紡は世界シェア約90%を握っています。
  • 2028年ターゲットの次世代技術: 2026年に入り、熱膨張率をさらに約30%低減させた「次世代Tガラス」を2028年を目処に導入する計画が報じられました。これに対し、NVIDIA、Google、Amazonなどのビッグテックが、最先端AIサーバー用の基板素材を確保するために日東紡の供給能力の奪い合いを展開しています。

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