クラサスケミカル

1. 上場概要

  • 上場予定日: 2026年9月29日
  • 上場市場: 東証スタンダード市場
  • 証券コード: 646A
  • 事業内容: 大分石油化学コンビナートを拠点としたエチレン・プロピレンなどの基礎石油化学製品、酢酸誘導体、合成樹脂製品の製造・販売
  • 主幹事証券: みずほ証券

2. 上場スキームの特徴:「パーシャル・スピンオフ」と「ダイレクトリスティング」

今回のIPO(新規上場)は、一般的な新株発行(公募)や既存株主の売出しを伴う公募増資型上場とは異なり、国内でも事例が少ない特殊な形式が採用されています。

① パーシャル・スピンオフ形式

  • 親会社であるレゾナック・ホールディングス(4004)が持分の一部(約20%)を保持しつつ、残り(約80%)をレゾナックの株主に現物配当(株式分配)する手法です。
  • レゾナック側としては、ボラティリティの大きい石化事業を切り離して「半導体・高機能材料」に経営資源を集中させる狙いがあります。

② ダイレクトリスティング(直接上場)

  • 公募増資や売出しを行わないため、一般投資家向けの「IPO抽選・ブックビルディング」はありません
  • 配当として取得: レゾナック株を事前に保有していた株主にクラサスケミカル株が割り当てられます。
  • 市場での売買: 一般投資家が取得・売買できるのは、9月29日の上場日以降となります。

3. クラサスケミカルの基本データと業績

項目内容
売上高3,039億2,600万円(2025年12月期実績)
経常利益55億8,900万円(2025年12月期実績)
当期純利益30億9,600万円(2025年12月期実績)
純資産額746億4,900万円
1株当たり純資産284.12円
本社所在地大分県大分市大字中ノ洲2(大分コンビナート内)

4. 投資・市場における注目点

  1. 配当・評価(流通参考値段)公募価格が決まる通常のIPOと異なり、上場初日は幹事証券が東証に提出する「流通参考値段(目安基準価格)」をもとに取引が開始されます。配当施策についても今後は安定的に実施する方針が示されています。
  2. 需要サイクルと事業の独立性ナフサクラッキングを中心とした基礎石化事業は、市況(ナフサ価格・スプレッド)や中国などのプラント需給の影響を受けやすい特徴があります。事業の単独上場により、意思決定の迅速化や独自調達能力の向上が期待されています。
  3. 売り圧力(需給)の懸念スピンオフによって現物配当を受けたレゾナック株主(特に石化事業に興味がなく、既存の半導体・新材料テーマを目当てに投資していた機関投資家など)による上場初期の売却売りリスクも市場で意識されています。

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