カルコパイライト

カルコパイライト(Chalcopyrite:黄銅鉱)は、本来は銅の最も重要な鉱物(鉱石)ですが、株式市場やテクノロジーの文脈においては、主に「CIGS薄膜太陽電池(カルコパイライト系太陽電池)」の原材料・技術として注目されるテーマです。

昨今話題の「ペロブスカイト太陽電池」と同じく、「軽く、薄く、曲がる」という特性を持つ次世代太陽電池の一翼を担っています。

カルコパイライトの概要と、市場で関心の高い関連銘柄について整理しました。

1. カルコパイライト(CIGS)太陽電池とは?

カルコパイライト系太陽電池は、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)を主成分とする化合物半導体(CIGS)を利用した薄膜太陽電池です。結晶構造が黄銅鉱(カルコパイライト)に似ていることからこの名がついています。

  • 強み: ペロブスカイト太陽電池が「湿気や熱への耐久性」に課題を抱えるのに対し、カルコパイライト系は長期の耐久性や耐候性に極めて優れているのが特徴です。
  • 用途: 軽量で曲げられるため、従来のシリコンパネルが設置できなかった工場の耐荷重の低い屋根や、壁面への設置(都市型太陽光発電)が期待されています。最近ではペロブスカイトと組み合わせた「タンデム型(2層構造)」で効率を極限まで高める研究も進んでいます。

2. 注目の関連銘柄・キープレイヤー

現在、カルコパイライト(CIGS)に直接関わる上場企業は限られていますが、実証実験や技術開発のハブとなっている企業、および構成元素(レアメタル)のサプライチェーン企業が主な関連銘柄となります。

① 開発・実証実験を主導する大手企業

  • 日揮ホールディングス(1963) 次世代太陽電池のスタートアップである「株式会社PXP」(相模原市、カルコパイライトやタンデム型を開発)と資本業務提携を結んでおり、2025年からは横浜市内の施設でフィルム型カルコパイライト太陽電池を用いた大面積発電モジュールの実証実験を共同で開始しています。施工・実装面での本命株の一つです。
  • 出光興産(5019) かつて傘下のソーラーフロンティアを通じてCIGS太陽電池の商業生産を世界最大規模で手掛けていた、この分野のパイオニアです(現在は国内生産からは撤退し、次世代技術の研究や他社連携へシフト)。CIGSに関する知的財産や技術的蓄積ベースでは今なお存在感があります。

② 素材・構成元素(レアメタル・原料)関連

カルコパイライト(CIGS)の性能を左右する「インジウム」「ガリウム」「セレン」などのハイエンド素材・回収技術を持つ企業もマークされます。

  • DOWAホールディングス(5714) 高純度ガリウムやインジウムなど、化合物半導体に不可欠なレアメタルの世界トップクラスのサプライヤーです。リサイクル技術にも強みがあり、次世代太陽電池の原材料確保という国策テーマで外せない位置にいます。
  • 住友金属鉱山(5713) / 三菱マテリアル(5711) 銅をはじめ、セレンやインジウムなどの非鉄金属・副産物レアメタルの大手生産者です。物理的なアセットとハイエンド素材の供給網を持つ強みがあります。

(参考)ペロブスカイト関連との対比

次世代太陽電池という大きな括りでは、ヨウ素大手の 伊勢化学工業(4107)K&Oエナジーグループ(1663)、フィルム加工技術の 積水化学工業(4204) などがペロブスカイト本命として市場を牽引していますが、これらが「カルコパイライトとのタンデム型(重ね合わせによる高効率化)」へと技術が波及する局面になれば、セクター全体に循環物色が向かう可能性があります。

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