株式市場における「信用残(信用取引残高)」の発表には、大きく分けて【東証による全銘柄の信用残】と【日証金による貸借取引残高】、そして急激な売買が生じた際の【日々公表銘柄】の3種類が存在します。
2026年9月28日より、東証による全銘柄の信用残が「週1回」から「毎営業日(日次)」へ変更されたため、発表タイミングと仕組みを整理しました。
1. 発表タイミング一覧
| 種類 | 発表頻度 | 発表時間(目安) | 対象・データ内容 |
| ① 東証:信用取引残高 (2026年9月28日より日次化) | 毎営業日 | 翌営業日の16:00頃 | **市場全体(東証全銘柄)**の買い残・売り残。制度信用・一般信用の合計データ。 |
| ② 日証金:貸借取引残高 (速報) | 毎営業日 | 当日の19:00〜21:00頃 | 日本証券金融(日証金)を経由した貸借取引分のみの速報値。 |
| ③ 日証金:貸借取引残高 (確報) | 毎営業日 | 翌営業日の11:30〜16:00頃 | 確報値および逆日歩(品貸料率)・株不足などの最終確定データ。 |
| ④ 東証:日々公表銘柄 | 対象指定時 | 当日の16:00頃 | 過熱感や偏りから「日々公表」に指定された個別銘柄のみの当日残高。 |
2. 「東証信用残」と「日証金残(貸借残)」の違い
- 東証信用残(全体像)
- 投資家がすべての証券会社を通じて行った「制度信用」+「一般信用」の残高合計。
- これまで「毎週火曜の夕方(前週週末時点分)」だった発表が、「翌営業日の16:00(前営業日時点分)」に切り替わりました。前日の売買による需給変化を翌日夕方に毎日確認可能です。
- 日証金残(一部の指標)
- 証券会社が調達のために日証金を利用した分のみの数値。市場全体の信用残の一部に過ぎませんが、「当日の夜(速報)」に判明するため、翌日の立ち会いに向けた迅速な判断材料として使われます。
3. 「日々公表銘柄」の基準(日次発表される条件)
通常銘柄の全東証信用残が日次化されたものの、過熱状態にある銘柄を警戒表示する「日々公表銘柄」の指定制度自体は継続されています。主に以下の条件に抵触した場合、取引所から指定されて当日夕方に注意喚起として公表されます。
- 残高基準
- 売り残偏重: 売り残高 ÷ 上場株式数 ≧ 10% かつ 売り残高 ÷ 買い残高 ≧ 60%
- 買い残偏重: 買い残高 ÷ 上場株式数 ≧ 20%
- 売買比率基準(過熱)
- 3営業日連続で株価と25日移動平均線の乖離が±30%以上で、信用新規売買比率が高い場合(売付20%以上、または買付40%以上)など。
まとめ・実務上の活用ポイント
- 夜(19〜21時頃): まず「日証金(速報)」で当日の大まかな信用需給や逆日歩リスクの芽を確認。
- 翌日夕方(16:00頃): 「東証信用残(日次)」で、一般信用も含めた前日時点の正確な買い残・売り残の増減を把握。
※ご利用の各証券会社のツールやマーケット情報画面によって、データ反映タイミングが数十分程度前後する場合があります。
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