CIGS太陽電池

CIGS太陽電池(銅・インジウム・ガリウム・セレンを主成分とする化合物薄膜太陽電池)は、現在次世代ソーラーとして大注目の「ペロブスカイト太陽電池」と同じ「薄膜(軽くて曲げられる)系」の先駆者です。

シリコン製に比べて「曲面に貼れる」「影や高温に強い」「結晶シリコンより圧倒的に薄くできる」という強みを持っています。

現在のCIGSの立ち位置と、株式市場における関連銘柄(主に日本企業)の動向について整理しました。

💡 CIGS太陽電池の現在の「主戦場」

かつては住宅・産業用の地上設置型として大手(旧昭和シェル系のソーラーフロンティアなど)が量産していましたが、中国勢の圧倒的な安値シリコンパネルに押され、現在は地上用の量産からは国内勢はほぼ撤退しています。

しかし、現在はその特性(高効率・軽量・放射線耐性)を活かし、「宇宙開発(人工衛星)」や「モビリティ(トラックのルーフなど)」という特化市場(HALO:Heavy Asset, Low Obsolescence的なインフラ・物理アセット分野)で再び強い存在感を示しています。

🏢 CIGS太陽電池の関連銘柄

1. 出光興産(5019)— 宇宙用CIGSの国内大本命

旧昭和シェル石油の流れを汲み、CIGS薄膜太陽電池の技術を長年蓄積してきた国内トップランナーです。

  • 動向: 地上向けの商業生産は2022年に終了していますが、研究開発機能を次世代技術研究所へ集約し、「宇宙用CIGS太陽電池」へ完全にシフトしています。
  • 強み: 宇宙空間の強い放射線にさらされても劣化しにくい(高い放射線耐性)ため、従来のシリコン型で必須だった重い保護カバーガラスが不要になります。超軽量化によってロケットの打ち上げコストを激減させられるため、JAXAの衛星での実証などを経て、民間の宇宙ビジネス(衛星コンステレーションなど)向けにマーケティングを本格化しています。

2. フジプレアム(4237)— 精密貼り合わせ・受託製造の雄

液晶用偏光板の生産や、太陽電池モジュールの受託製造(OEM)を手掛ける技術派企業です。

  • 動向: かつてCIGSモジュールの製造で実績があり、薄膜・軽量太陽電池を精密に基板へ貼り合わせる、あるいはパッケージングする製造プロセス技術を持っています。
  • 材料としての側面: 株式市場ではペロブスカイト関連銘柄としても名前が上がることが多いですが、広く「薄膜・次世代太陽電池の製造支援」というテーマで思惑が入りやすい銘柄です。

3. アルバック(6728)— 製造装置(真空成膜装置)の世界的プレイヤー

ディスプレイや半導体、そして薄膜太陽電池の製造に不可欠な「真空蒸着装置」「スパッタリング装置」で世界屈指の技術を持つ企業です。

  • 動向: CIGSは、基板上に薄い金属膜を何層も均一に積み重ねる(成膜技術)ことで作られます。アルバックはこの真空成膜プロセスの製造装置を供給できるポジションにあります。CIGSに限らず、次世代の薄膜太陽電池の投資が活発化する局面で恩恵を受けやすい「黒子」的な銘柄です。

📈 投資の視点と注意点

投資対象としてCIGSを見る場合、以下の構造を頭に入れておくとスッキリします。

  • ペロブスカイト(本命テーマ)との対比:現在の株式市場で「国策・次世代太陽電池」としてバイイングパワーが集まりやすいのは、積水化学(4204)や伊勢化学(4107)などのペロブスカイト太陽電池関連です。CIGSは「すでに技術的に成熟しており、ニッチな高付加価値市場(宇宙など)でマネタイズを目指すフェーズ」にあります。
  • 宇宙・防衛テーマとの連動:出光興産(5019)の宇宙用CIGSのように、純粋なクリーンエネルギーというよりは「宇宙開発・防衛・安全保障インフラ」のテーマと絡んで評価される側面が強くなっています。

もし「薄膜系太陽電池」という大きなトレンドを狙うのであれば、CIGS単体というよりは、宇宙関連ビジネスへの広がりを含めて出光興産の進捗を追うか、あるいは次世代太陽電池全般の製造プロセスで買われる製造装置・部材メーカー(アルバックやフジプレアムなど)を周辺から攻めるのが現実的な選択肢と言えます。

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