CoWoS(Chip-on-Wafer-on-Substrate)は、台湾のTSMCが開発した「2.5次元(2.5D)パッケージング技術」です。
生成AI向けの演算処理を行うGPU(NVIDIAの「H100」や「Blackwell」など)には、膨大なデータを一瞬で処理するために、超高速メモリーであるHBM(高帯域幅メモリー)が不可欠です。CoWoSは、このロジック半導体(GPU)とHBMを、「シリコンインターポーザ」と呼ばれる極薄の微細な基板の上に並べて配置し、最終的なパッケージ基板(サブストレート)に実装する技術を指します。
従来の「前工程(回路形成)」による微細化が物理的限界に近づくなかで、チップ同士を密集させて性能を引き上げる「後工程(パッケージング)」の重要性が爆発的に高まっており、CoWoSはその中核としてAIブームのボトルネック(供給逼迫の要因)になるほど注目されています。
以下に、CoWoSプロセスを支える日本の主要な関連銘柄(製造装置・素材・基板)を分類して紹介します。
1. 基板・インターポーザ関連(最重要領域)
CoWoSの構造上、チップを載せる中継基板(インターポーザ)や、最下層の大型パッケージ基板(サブストレート)には非常に高い精度が求められます。
- イビデン(4062) / 新光電気工業(6967)
- 高多層・大型の次世代パッケージ基板(FC-BGAサブストレート)の世界大手であり、AIサーバー用基板の増産を進めています。
- 味の素(2802)
- 高性能半導体の絶縁材として事実上の世界標準である「ABF(味の素ビルドアップフィルム)」を世界シェア100%(独占)で供給しており、CoWoSの増産に直結する銘柄です。
- 日東紡(3110)
- パッケージ基板のコア材となる、熱による変形が極めて少ない「低熱膨張ガラスクロス」で高いシェアを持っています。
- 大日本印刷(7912) / TOPPANホールディングス(7911)
- 超微細な回路を持つ次世代の「ガラスインターポーザ」の開発・実用化を進めており、CoWoSの技術進化や代替需要における注目株です。
2. 製造装置関連
極薄のチップを扱う、あるいは超高密度で積層・封止するための高度な技術を持つ企業です。
- ディスコ(6146)
- 半導体の切断(ダイシング)、研削(グラインディング)で世界首位。HBMの製造やCoWoSプロセスにおいて、シリコンウエハやチップを極限まで薄く削る装置(グラインダ)が不可欠となっています。
- TOWA(6315)
- モールド(樹脂封止)装置の大手。チップを隙間なく樹脂で固める「コンプレッション(圧縮成形)」技術に強みを持ち、HBMや最先端パッケージング向けに需要が急増しています。
- 東京エレクトロン(8035)
- 前工程の巨頭ですが、CoWoSに用いられるシリコンインターポーザの製造(微細な穴を開けるTSVプロセスや成膜など)や、ウエハの接合装置といった後工程・中工程領域でも存在感を高めています。
- アドバンテスト(6857)
- 半導体検査装置(テスタ)の世界大手。CoWoSのように多数のチップ(GPUと複数のHBM)を複雑に高密度実装するパッケージはテストの難易度が跳ね上がるため、同社の高性能テスタの需要が拡大しています。
3. 材料・化学関連
後工程の高度化に伴い、従来の素材では対応できないケースが増えており、日本の化学メーカーの部材が決定的な役割を果たしています。
- レゾナック・ホールディングス(4004)
- 旧・昭和電工マテリアルズ(日立化成)を擁し、半導体後工程材料で世界首位。チップを接着する「ダイボンディングフィルム」や高性能封止材など、最先端パッケージに必須の材料を網羅しています。また、次世代パッケージの標準化を目指すコンソーシアム「JOINT2」を主導。
- 東京応化工業(4186)
- フォトレジスト(感光性樹脂)の世界大手。前工程だけでなく、CoWoSの微細な再配線層(RDL)を形成する後工程用の厚膜レジストや、ウエハを一時的に貼り合わせる恒久接着剤などの先端実装材料を展開しています。
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