地球深部探査船「ちきゅう」

地球深部探査船「ちきゅう」は、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)が運用する、世界最高水準の掘削能力を持つ科学探査船です。

一言で言えば、「人類がまだ到達したことのない地球の深部を調査し、地球の謎を解明するための船」です。


1. 驚異のスペック

その最大の特徴は、圧倒的な掘削(穴を掘る)能力と船体の巨大さです。

  • 世界一の掘削深さ: 海底面下から最大7,000m(将来的にはそれ以上)まで掘り進む能力があります。
  • 世界一の高さ: 船上にある「デリック(掘削やぐら)」は海面上から約120m。これは30階建てのビルに相当し、ほとんどの橋の下をくぐれないほどの高さです。
  • 最新の掘削方式: 科学探査船として世界で初めて「ライザー掘削」という、泥水を循環させて孔壁を保護する技術を導入しました。これにより、崩れやすい地層や高圧な深部でも安全に掘り進むことが可能です。

2. 主なミッション

「ちきゅう」は主に以下の3つの目的で活動しています。

  • 巨大地震のメカニズム解明: 巨大地震が発生するプレート境界(南海トラフなど)を直接掘り、岩石の採取や観測装置の設置を行います。2024年〜2025年にかけて行われた調査(JTRACK)では、総ドリルパイプ長7,906mという「最も深い海洋科学掘削」のギネス世界記録を樹立しました。
  • マントルへの到達: 地殻を突き抜け、地球の内部である「マントル」まで掘り進み、直接サンプルを採取するという、人類未踏のプロジェクトを目指しています。
  • 海底下生命圏と起源の探査: 海底の下にある過酷な環境(高温・高圧)に住む微生物を調査し、生命がどのように誕生したのか、その謎に迫ります。

3. 最新の動向(2026年現在)

「ちきゅう」は現在も最前線で活動を続けています。

  • レアアース泥の採掘試験: 2026年1月には、日本最東端の南鳥島沖で、海底に眠る貴重な資源(レアアース)を吸い上げる世界初の採掘試験に参加する予定です。
  • 国際協力の要: 長年「国際深海科学掘削計画(IODP)」の主力船として活躍してきましたが、今後も日本の科学技術の象徴として、気候変動の解明や資源探査など多岐にわたる任務を担っています。

船内は巨大な研究室でもあり、掘り出した「コア(柱状の地層サンプル)」をその場で分析できる最新設備が整っています。
地球深部探査船「ちきゅう」に関連する銘柄は、船体の建造に携わった企業、運用の中心を担う企業、そして「ちきゅう」が調査する海底資源(レアアースやメタンハイドレート)に関連する企業に分けられます。
特に2026年現在は、南鳥島沖でのレアアース泥の採掘試験が大きな注目テーマとなっており、これに関連する銘柄に強い関心が集まっています。

1. 運用の中心・掘削技術
「ちきゅう」の実際の運用や掘削作業を担う、最も直接的な関連企業です。
日本郵船 (9101) 「ちきゅう」の運用管理を行う「日本マントル・クエスト」に40%出資しています。海洋開発分野でのプレゼンスが非常に高い銘柄です。
ENEOSホールディングス (5020) グループ会社のENEOSドリリングが、日本郵船とともに「日本マントル・クエスト」を通じて「ちきゅう」の運用に深く関わっています。
鉱研工業 (6297) 掘削機械の専業メーカー。海底掘削などの特殊な掘削技術に強みを持ち、海洋資源開発のニュースが出る際に思惑買いが入ることが多い銘柄です。
2. 船体の建造
「ちきゅう」という世界最大級の特殊船を造り上げた造船メーカーです。
三菱重工業 (7011) 「ちきゅう」の建造をとりまとめた元請企業です。掘削装置(デリック)などの心臓部の開発も担当しました。
三井E&S (7003) 旧・三井造船。船体部分の建造を担当しました。海洋資源開発に向けた設備・技術に強みがあります。
3. 海底資源・レアアース関連(注目テーマ)
2026年1月に予定されている「レアアース泥の採掘試験」によって、注目度が急上昇している企業です。
東洋エンジニアリング (6330) 南鳥島沖でのレアアース泥採取試験において、揚泥(海底から泥を吸い上げる)システムの構築などで中心的な役割を担っています。
三井海洋開発 (6269) 浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備(FPSO)で世界的な企業。海洋資源開発のインフラ構築における本命株の一つです。
石油資源開発 (1662) / INPEX (1605) 海洋資源の探査・開発における日本のナショナルフラッグシップ企業であり、長期的な国策プロジェクトとして関連視されます。

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