オニツカタイガーは、アシックスが展開する日本発のファッションブランドです。
ブランドの歴史とコンセプト
オニツカタイガーは1949年、鬼塚喜八郎氏によって「スポーツ競技が人生を変える力がある」という想いから設立されました。日本の青少年育成への貢献とより良い未来の再建を目指し、設立当初から技術力とコンフォートを追求した革新的な競技シューズを世に送り出してきました。
一時ブランドは消滅した時期もありましたが、2002年にヨーロッパでファッションブランドとして復刻。現在は、ヘリテージとイノベーション、そしてファッションとスポーツを融合させたコンテンポラリーなコレクションを展開しています。特に代表的なモデルである「MEXICO 66™」は、1960年代の雰囲気を残しつつ現代風にデザインされ、機能性も兼ね備えていることから、長年多くの人々に愛され続けています。
最新の動向 (2025年7月現在)
オニツカタイガーは近年、国内外で精力的に事業を展開しており、特に以下の動きが注目されています。
グローバル展開の加速:
2025年7月4日には、パリのシャンゼリゼ通りにグローバルフラッグシップストアをオープンし、ブランド初の香水も発表しました。
2025年5月29日には、ロンドンのコベントガーデンに欧州初のレッドコレクションのコンセプトストアを開設。
2025年3月4日には、スペイン初の旗艦店をバルセロナにオープンするなど、欧州でのプレゼンスを強化しています。
コンセプトストアの展開:
2025年4月28日には、表参道にイエローコレクションのコンセプトストアがオープンしました。これは銀座に続く2店舗目となります。
新シリーズ・新モデルの発表:
2025年6月6日には、曲線的なソールデザインとマットな質感が特徴の「TIGER ERGONIO™ STRAP」を発表。
2025年4月には、コインローファーにアイコニックなエッセンスを加えた「TIGER LOAFER™」と、クラシックなダービーシューズにモードのエッセンスを加えた「TIGER DERBY™」が登場。
2025年3月25日には、新たなカテゴリー「ULTI RS™シリーズ」を発表し、機能性とデザイン性を融合させたシューズを提案しています。
2025年1月21日には、デニムを主役にした新シリーズ「ONITSUKA TIGER DENIVITA」が登場しました。
コラボレーション:
2024年12月には、人気キャラクター「鉄腕アトム」とのコラボレーションで、タイガーイエローのブーツを履いたアトムが登場しました。
「オニツカタイガー」は、2027年にも米国市場に再進出する方針を明らかにしました。これは、2025年7月7日に開催された投資家向けイベントで説明されたものです。
再進出の背景と戦略のポイント：
過去の撤退と反省: オニツカタイガーは2023年に米国の直営店を閉鎖しています。これは、積極的な出店が不採算店舗を抱える結果になったという反省があったためです。
アジア・欧州での収益拡大: 直近のアジアや欧州での収益拡大が、今回の米国再進出の決断を後押ししています。
慎重かつ迅速な戦略: 庄田良二カンパニー長は、「本格的に進出していない地域でいちばん大きなマーケットが北米で、失敗できない。慎重かつ敏速にいろんな戦略を考えたい」と述べています。
直営店を軸にした販売戦略: 今後は直営店の開業を軸に販売戦略を練る方針です。ただし、実店舗が良いのか、EC（オンラインストア）が良いのかなどを見極めつつ、2027年中には北米で新たな販売の仕組みを立ち上げたいとしています。
高価格帯への注力とブランド価値向上: 「NIPPON MADE」シリーズやフォーマル・ビジネス向けの「THE ONITSUKA」シリーズなど、高価格帯の製品ラインを拡大し、日本のものづくりの素晴らしさを世界に発信する方針です。認知度とブランド価値向上のため、主要都市の高感度な場所に出店することも基本方針としています。
国内生産拠点の活用: 鳥取県境港市にあるグループの生産拠点を、2026年1月1日付けで「Onitsuka Innovative Factory Corporation」に改称し、オニツカタイガー専用の生産拠点とすることも発表されました。これにより、企画開発能力を含めた垂直統合生産体制を確立し、高付加価値製品の生産を強化する狙いがあります。
オニツカタイガーは、近年、機能とデザインを融合させた開発を強化し、ラグジュアリーブランドとしての地位を確立しつつあります。今回の米国再進出は、その成長戦略の重要な一歩と位置づけられています。
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