SMRを含むエネルギーインフラ全体の投資額最大3320億ドルについて

2026年現在のエネルギー市場において、2040年〜2050年までに想定されるSMR(小型モジュール炉)への世界累計投資予測、あるいは特定の国際機関(IEAなど)が示した「脱炭素シナリオにおける原子力インフラ投資枠」を指しているものと考えられます。

SMRは、従来の大型原発に比べて「低コスト・短納期・高安全性」を売りにしており、特にAIデータセンターの急増に伴うクリーンな安定電源として、投資が加速しています。

以下に、この巨大な投資額の背景と、関連する主要銘柄を整理しました。


SMR(小型モジュール炉)投資加速の背景

  • データセンター需要: Google、Amazon、Microsoftなどのテック巨頭が、脱炭素と電力確保を両立させるため、SMR採用に巨額の資金を投じています。
  • 既存インフラの活用: 老朽化した石炭火力発電所の跡地を、SMRに置き換える「Coal-to-Nuclear」の動きが加速しており、送電網などのインフラ投資も含まれます。
  • エネルギー安全保障: ロシア・ウクライナ情勢以降、化石燃料への依存を減らすため、自国で完結できる安定電源としてSMRへの公的支援が増大しています。

SMR関連銘柄(日本・米国)

この「3320億ドル」という巨大な投資の受け皿となる主要企業です。

1. 国内(日本)の主要銘柄

日本企業はSMRの「原子炉容器」や「タービン」など、基幹部品の製造で世界屈指の技術を持っています。

三菱重工業 (7011):国内SMR開発のリーダー。電力各社と共同で「SRZ-1200」などの革新軽水炉を開発中。

日立製作所 (6501):米GE社との合弁(GE日立)を通じて、世界で最も商用化に近いとされるSMR「BWRX-300」を展開。

IHI (7013):米ニュースケール・パワー(SMRの先駆者)に出資し、原子炉圧力容器などの主要機器の供給を担当。

日本製鋼所 (5631):大型鋳鍛鋼で世界シェアトップクラス。SMRの製造に欠かせない極厚鋼板の供給能力を持つ。

2. 海外(米国)の主要銘柄

テック企業との直接契約や、政府支援を受けて開発を進める「設計・運用者」です。

ニュースケール・パワー (SMR):米証券取引所に上場する唯一のSMR専業メーカー。

テラパワー (非上場):ビル・ゲイツ氏が設立。次世代SMR「Natrium」を開発し、米政府から巨額支援を受ける。

GEベルノバ (GEV):GEのエネルギー部門が分社化。日立との提携により、世界中でSMRの受注活動を展開。

コンステレーション・エナジー (CEG):全米最大の原子力発電事業者。マイクロソフトと提携し、データセンター向け電力供給で先行。


投資規模の内訳イメージ

3320億ドルという数字には、単なる「原子炉の製造」だけでなく、以下の広範なインフラ投資が含まれます。

投資項目内容
プラント建設原子炉本体、格納容器、冷却システムの設置。
送電網整備SMRからデータセンターや都市部へ電力を運ぶインフラ。
燃料サイクルHALEU(高純度低濃縮ウラン)など、SMR用燃料の確保。
メンテナンス稼働後数十年にわたる保守点検・デジタル監視システム。

SMRは現在「実証段階」から「商用化・量産段階」へ移る重要な局面(2020年代後半〜2030年代)にあります。