オングストローム

オングストローム(Å)は、長さを表す非常に小さな単位です。


📏 定義

  • 記号: Å
  • 定義:$$1 \text{ Å} = 10^{-10} \text{ m} \text{(メートル)}$$つまり、1メートルの100億分の1の長さです。
  • 他の単位との関係:
    • $1 \text{ Å} = 0.1 \text{ nm} \text{(ナノメートル)}$
    • $1 \text{ nm} = 10 \text{ Å}$

⚛️ 主な用途

主に、原子や分子のスケールを扱う分野で用いられます。

  • 原子・分子の大きさ:
    • 原子や分子の直径、原子間の距離(化学結合の長さなど)を表すのに便利です。例えば、水素原子の直径は約 $1 \text{ Å}$ 程度です。
  • 電磁波の波長:
    • 光(可視光、X線など)の波長を表すのに使われます。
    • 可視光の波長は、おおよそ $4000 \text{ Å}$(紫色)から $7000 \text{ Å}$(赤色)の範囲です。
  • 結晶学・材料科学:
    • 結晶格子(原子の規則的な配列)の間隔や、薄膜の厚さなどを表すのに使われます。

💡 補足

  • 非SI単位: オングストロームは**国際単位系(SI)**に含まれない単位ですが、ナノテクノロジーや分光学など、特定の科学分野では現在でも慣習的に使われています。
  • 名称の由来: スウェーデンの物理学者であるアンデルス・オングストローム(Anders Jonas Ångström)が、太陽光の波長を記載する際にこの単位に相当する値を用いたことにちなんで名付けられました。

🔎 オングストローム ($\text{Å}$) とナノメートル ($\text{nm}$) の違い

両方とも非常に小さな長さを表す単位で、原子・分子レベルの測定に使われますが、換算すると以下の関係になります。

単位記号メートル換算ナノメートル換算
オングストローム$\text{Å}$$10^{-10} \text{ m}$$\mathbf{0.1 \text{ nm}}$
ナノメートル$\text{nm}$$10^{-9} \text{ m}$$\mathbf{10 \text{ Å}}$
  • ナノメートルは、SI接頭辞「ナノ」($10^{-9}$)を用いたSI単位系の単位です。
  • オングストロームは、SI単位系には含まれない非SI単位ですが、伝統的に物理学や化学、特に結晶学や分光学で広く使われてきました。

ナノメートルは、ナノテクノロジーの発展とともに、より広く一般的に使われるようになっています。


🔬 オングストロームの具体的な使用例

オングストロームは、以下の分野で特に「ちょうど良い」スケールとして使われます。

1. 原子・分子のサイズ

原子や分子の直径、あるいは原子間の結合距離は、多くの場合、$\text{Å}$ 単位で表すと1桁の整数に近くなります。

  • : 水素原子の直径は約 $1 \text{ Å}$ です。
  • : 炭素原子と炭素原子の単結合の長さは約 $1.54 \text{ Å}$ です。

2. 結晶構造の間隔

固体内の原子が規則正しく並んだ格子(結晶格子)の間隔(格子定数)は、通常 $\text{Å}$ 単位で表現されます。

  • : シリコン(Si)単結晶の格子定数は約 $5.43 \text{ Å}$ です。
  • このスケールでの測定には、X線回折という手法が使われます。

3. $\text{X}$線の波長

電磁波の波長を表す際にも使われます。特に、波長の短いX線γ線の波長は、オングストロームの範囲内にあります。

  • : 医療や工業で使われる一般的な$\text{X}$線の波長は、およそ $0.1 \text{ Å}$ から $1 \text{ Å}$ 程度の範囲です。

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