「トライカラー・ホールディングス」(Tricolor Holdings, LLC)は、主に米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)自動車ローンと中古車販売を専門としていた企業です。
近年、大きな経営問題に直面し、破綻しています。
企業概要と事業モデル
- 事業内容:
- 中古車ディーラーと自動車金融会社の両方を兼ねる**「Buy Here-Pay Here (BHPH)」**モデルで事業を展開していました。
- 主に信用履歴が限られているヒスパニック系や移民コミュニティなど、従来の金融機関から融資を受けられない顧客層に対し、中古車の販売と自社ローン(in-house financing)の提供を行っていました。
- テキサス州やカリフォルニア州を中心に60以上の販売店を運営し、米国内で急成長を遂げていました。
- 社会的側面:
- 地域開発金融機関(CDFI: Community Development Financial Institution)としての認定も受けており、金融サービスを受けられない人々に自動車所有の機会を提供するという社会的使命を掲げていました。
破綻と影響
トライカラー・ホールディングスは、2025年9月に米国連邦破産法第7章(チャプター7)の適用を申請し、清算に入りました。これは、企業の再建を目指す第11章ではなく、事業を終了し資産を清算する異例の措置でした。
- 原因:
- 貸し手側(銀行など)が、担保の二重供与や、貸付ポートフォリオのデータにおける不正行為、不規則性の疑惑を発見したことが崩壊の引き金となりました。
- これに加え、サブプライム層のローンに対する市場圧力や金利上昇も影響しました。
- 影響:
- 負債総額は数十億ドルに上り、JPモルガン・チェースなど主要な銀行が多額の貸倒損失を計上する事態となりました。
- 突然の事業停止により、数千人の従業員が解雇され、多くの顧客が支払い先や車の所有権について混乱に陥りました。
- この破綻は、資産担保証券(ABS)市場におけるリスク管理や、サブプライム自動車ローン業界全体への監視強化の必要性を示す「警告」とみなされています。
開業2002年。
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