原発と送配電の仕組み

⚛️ 原子力発電(原発)について

仕組み

原子力発電は、火力発電と基本的な仕組みは同じです。

  1. 熱源: 火力発電が石炭や天然ガスなどの化石燃料を燃やすのに対し、原子力発電はウラン燃料の核分裂で発生する熱を利用します。
  2. 蒸気の生成: 核分裂の熱で水を沸騰させ、高温・高圧の蒸気を作ります。
  3. 発電: この蒸気の力でタービンを回し、タービンにつながった発電機を回して電気をつくります。

日本の現状

2011年の東日本大震災以降、国内の原子力発電所は新規制基準への適合審査と安全対策工事が進められています。一時的に発電量がゼロになりましたが、審査をクリアした原子炉から順次再稼働しており、日本の電源構成における原子力発電の割合は変動しつつも増加傾向にあります。

(例として、2024年の年間割合(速報)で9.8%に増加したというデータがあります。)


🔌 送配電について

仕組み

発電所でつくられた電気を、家庭や工場などの需要家まで届けるのが送配電です。

  1. 昇圧(送電):発電所で作られた電気(数千V〜2万V)は、遠くまで効率良く、ロスを少なく送るため、超高圧変電所で27万5000V〜50万Vといった超高電圧に昇圧され、送電線(主に鉄塔)を通じて大都市や大規模変電所まで送られます。
  2. 降圧(変電):送られてきた電気は、いくつかの変電所を経るごとに、鉄道会社や工場向け(例:6万6000V)、大規模ビル向け(例:2万2000V)など、段階的に電圧を下げていきます。
  3. 配電:最終的に配電用変電所から6600Vに変電され、街中の電柱を通る配電線に送られます。電柱上にある**柱上変圧器(トランス)**で、家庭で使う100Vや200Vまで電圧を下げて各戸に引き込まれます。

役割

送配電事業は、電力の安定供給や系統(送電網・配電網)全体の維持・管理を担っており、日本では一般送配電事業者(旧一般電気事業者の送配電部門が分社化)がその役割を担っています。


📈 関連銘柄

原子力と送配電のテーマで注目される主な上場企業(日本)は以下の通りです。

1. 原子力発電・電力大手(電力供給・発電主体)

銘柄名銘柄コード主な関連分野
東京電力ホールディングス9501原子力発電所(福島第一、柏崎刈羽)、送配電事業
関西電力9503原子力発電所(高浜、大飯、美浜)、送配電事業
北海道電力9509送配電インフラの増強(北海道バレー構想など)
東北電力9506原子力発電所(女川)、送配電事業

2. 送配電インフラ・プラント建設・電力システム

送電線、変電設備、発電所建設・保守、電力システムのデジタル化(DX)に関連する銘柄です。

銘柄名銘柄コード主な関連分野
東京エネシス1945発電所(火力・原子力)の建設・保守、変電設備工事
巴コーポレーション1921送電線用の鉄塔の設計・製作大手
SWCC(旧 昭和電線ホールディングス)5805電力ケーブル・電線、送配電インフラ向け製品
アドソル日進3837電力・エネルギー分野のシステム開発、DX支援
日立製作所6501原子力関連機器、送配電システムのインフラ全般
三菱電機6503発電・変電・送電関連機器、電力システム

3. その他(機器・素材)

銘柄名銘柄コード主な関連分野
日本ガイシ5333電力貯蔵用NAS電池、送電インフラ用碍子(ガイシ)
日本碍子5333送電線や変電所で使用される碍子(がいし)

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