ノーベル化学賞、北川進氏が受賞

京都大学特別教授の北川進(きたがわ・すすむ)氏は、2025年のノーベル化学賞を、リチャード・ロブソン氏、オマー・ヤギー氏と共に受賞しました。

受賞理由は、「金属有機構造体(Metal-Organic Frameworks、MOF)」の開発です。

受賞対象となった業績

北川氏らが開発した金属有機構造体(MOF)は、金属イオンと有機分子を組み合わせて作られる、内部に極小の穴が網目状に無数に開いた多孔性の新しい分子構造体です。

この構造の最大の特徴は、その大きな空孔(キャビティ)と、構成要素を設計することで特定の物質を吸着・貯蔵できるように調整可能な点にあります。

北川氏の貢献: MOFの構造内にガスが流出入できること実証し、さらにMOFが外部刺激によって構造が変化する柔軟性を持つ可能性を予測しました。1997年には、安定した多孔質構造を持ち、ガスを吸着できるMOFを開発しました。

MOFは、二酸化炭素(CO 2)の分離・回収、水素貯蔵、有害物質の除去、水からの水分採取など、地球規模の課題解決に貢献する応用が期待されています。

北川進氏の経歴

年 主な出来事・役職

1951年 京都府で生まれる。

1974年 京都大学工学部卒業。

1979年 京都大学大学院博士課程修了(博士号取得)。

1979年 近畿大学理工学部 助手。

1983年 近畿大学理工学部 講師。

1992年 東京都立大学理学部 教授。

1998年 京都大学大学院工学研究科 教授。この頃に多孔性金属錯体の研究を本格的に進め、画期的な成果を上げる。

2013年 京都大学 物質-細胞統合システム拠点(iCeMS)拠点長を兼任。

2017年 京都大学高等研究院 特別教授。

2024年 京都大学 理事・副学長(研究推進担当)。

2025年 ノーベル化学賞を受賞。

主な受賞歴(ノーベル賞以外)

紫綬褒章(2011年)

江崎玲於奈賞(2013年)

藤原賞(2017年)

ソルベイ未来化学賞(2017年)

英国王立協会外国人会員(2023年)

北川氏は現在、京都大学の理事・副学長および高等研究院 特別教授を務めています。

■関連銘柄

旭化成(3407)
レゾナック・ホールディングス(4004)
協和キリン(4151)
日産化学(4021)
中外製薬(4519)
小野薬品工業(4528)
富士フイルム (4901)
免疫生物研究所(4570)
三井金属鉱業(5706)

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