🎄 サンタクロース・ラリーとは?
「サンタクロース・ラリー」とは、年末から年始にかけて株式市場の株価が上昇しやすいという経験則、つまりアノマリーの一つです。
もともとは米国株式市場で観測されてきた現象で、一般的には12月のクリスマス後の最終5営業日と新年の最初の2営業日の期間に株価が上昇する傾向を指します。
📊 上昇する主な要因(諸説あり)
この株高傾向が起こる背景には、いくつかの要因が挙げられています。
- 税金対策の売りが一巡後の買い戻し
- 投資家が年末に含み損のある株を売却して損失を確定(損出し)し、節税対策を行うため、年末にかけて一時的に売りが出ます。年が明けると、その反動で買い戻しが入ることで株価が押し上げられるという説です。
- 機関投資家の休暇による市場の流動性低下
- 年末年始は、大きな資金を動かす機関投資家が休暇に入ることが多く、市場の取引量が減少します。その結果、個人投資家などの少額の買い注文でも株価が動きやすくなり、楽観的なムードで上昇につながりやすいという見方があります。
- 新年への期待感
- クリスマスや新年という祝祭ムードの中で、投資家心理が楽観的になり、新しい年への期待感から積極的に買いが入るという心理的な要因も挙げられます。
🇯🇵 日本の相場格言との関連
日本にも、年末の株高傾向を示す相場格言があり、**「掉尾の一振(とうびのいっしん)」**と呼ばれます。これは「物事の終わり(掉尾)に勢いをつける(一振)」という意味で、年末に向けて株価が上昇しやすいことを指します。
🌊 今回(2025年年末年始)の波に乗るか?
サンタクロース・ラリーはあくまで経験則であり、必ず株価が上昇するとは限りません。過去にはラリーが実現しなかった年もあり、その年の相場を占う先行指標の一つとして注目されることもあります。
今回の年末年始にこの株高の波に乗れるかどうかは、今後の金融政策の動向、企業の業績見通し、世界経済の状況、そして投資家の心理など、複合的な要因によって決まります。
サンタクロース・ラリーに関する過去のデータ、特に米国株式市場の代表的な指数であるS&P500についての統計をご紹介します。
🇺🇸 米国株式市場 (S&P500) のデータ
「サンタクロース・ラリー」は、一般的に12月の最終5営業日と新年の最初の2営業日の計7営業日の期間を指します。
| 期間 | 上昇した確率 | 平均リターン | 備考 |
| 1950年〜2022年 | 約80% (73回中58回) | 約1.3% | 「ストック・トレーダーズ・アルマナック」のデータに基づく |
| 1929年以降 | 約79% | 約1.6% | – |
このデータから、サンタクロース・ラリー期間は、S&P500指数が高い確率でプラスのリターンを示す傾向があることがわかります。
参考: 1950年以降のデータでは、S&P500指数はこの期間に多くの場合で上昇しており、特に長期的に見るとプラスのリターンとなる傾向が強いことが示されています。
🇯🇵 日本株式市場 (日経平均株価) のデータ
日本市場においても、サンタクロース・ラリーや「掉尾の一振」と呼ばれる年末高のアノマリーは確認されています。
| 指標 | 期間 | 上昇した回数 | 騰落率の勝敗 | 備考 |
| 日経平均株価 | 2004年〜2014年 | – | 7勝3敗 | SBI証券のレポートデータに基づく |
この期間のデータでは、日経平均株価も年末年始にまたがる時期に上昇することが多いという結果が出ています。
⚠️ データ利用上の注意点
過去のデータは、相場の傾向を示すものであり、将来の結果を保証するものではありません。
- アノマリーは絶対ではない: サンタクロース・ラリーが実現しなかった年もあります。
- 市場環境の影響: 政治・経済の大きな出来事、金融政策の変更、突発的なニュースなどは、アノマリーの傾向を打ち消す可能性があります。
サンタクロース・ラリーを一つの参考にしつつ、現在の市場環境や個別の投資対象の状況を考慮してご判断ください。
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