造船業界は、脱炭素(メタノール・アンモニア・水素などの次世代燃料船への転換)に伴う更新需要や、官民一体となった造船基盤強化の動きから、巨大な設備投資サイクルに入っています。
造船所そのもののドック・設備拡張だけでなく、そこに組み込まれる「主機(エンジン)」「各種機器・コンポーネント」「素材・塗料」まで幅広い銘柄がサプライチェーンとして恩恵を受けます。
主要な関連銘柄をカテゴリー別に分類して紹介します。
1. 造船アセンブラー(造船所本体)
新造船受注の直接的な受け皿となる大手・中専業メーカーです。
- 名村造船所(7014)
- 外航ばら積み船やタンカー中心の中堅造船首位級。受注残が豊富で業績回復の象徴的銘柄。
- 三菱重工業(7011)
- 高付加価値船や防衛艦艇に加え、グループでのエンジニアリング技術・標準設計(MILES等との連携)に強み。
- 川崎重工業(7012) / IHI(7013)
- 液化水素運搬船などの次世代船開発や海洋構造物技術を保有。
- 内海造船(7018)
- フェリーや中小型商船に強みを持つ独立系造船。
2. 舶用エンジン・駆動系(造船設備投資の中核)
船舶の原動機(主機)および制御システムを手掛ける企業。脱炭素燃料(アンモニア・水素・LNG)対応エンジンの開発・置き換えが最大のテーマです。
- 三井E&S(7003)
- 舶用大型ディーゼルエンジンで国内首位。港湾用ガントリークレーンでも高いシェアを誇る。
- ジャパンエンジンコーポレーション(6016)
- 舶用低速エンジンで独自ブランド(UEエンジン)を持つ専業大手。次世代アンモニア燃料エンジンの実用化で世界をリード。
- ダイハツインフィニアース(6023 / 旧ダイハツディーゼル)
- 発電用・中小型主機の舶用ディーゼルエンジンで高いシェア。
- 阪神内燃機工業(6018)
- 内航船向け中低速ディーゼルエンジンの老舗。
3. バルブ・ポンプ・コンポーネント(機材・設備)
船舶内の配管制御、流体移送、自動化に必要な精密機械・バルブメーカーです。造船の着工・完工ラッシュに伴い需要が急増します。
- 中北製作所(6496)
- 船舶用自動調整弁(バルブ)で世界最高峰のシェア。液化ガス船(LNG・LPG)向け超低温バルブなどに強み。
- オーケーエム(6229)
- 排ガス制御向けなどのバタフライバルブ大手。
- TVE(6466)
- 原発・火力・プラント用各種バルブのほか、特殊防錆処理やメンテナンス技術を保有。
- 三浦工業(6005)
- 陸上用ボイラ最大手だが、船舶用ボイラやバラスト水処理装置でもトップシェア級。
- ナブテスコ(6268)
- 船舶の遠隔制御システム(主機リモコン)で高い世界シェアを保持。
4. 舶用電装・計器・航海機器
自動運航や環境モニタリング、電子海図などスマートシップ化(デジタル化)に伴う設備投資の恩恵を受ける分野です。
- 古野電気(6814)
- 舶用電子機器(レーダー、魚探、GPS航海機器)の世界的大手。
- 東京計器(7721)
- オートパイロットやジャイロコンパスなど制御・航海計器を展開。
- 寺崎電気産業(6637)
- 船舶用配電盤・制御システムで世界トップシェアクラス。
5. 塗料・厚板(塗料・鋼材素材)
船体の摩擦抵抗を減らす特殊塗料や、造船用鋼板の供給企業です。
- 中国塗料(4617)
- 船底塗料(低燃費・防汚塗料)で国内シェアトップ、世界でも首位級。定期修繕(ドック入れ)の需要も取り込む底堅さが強み。
- 関西ペイント(4613) / 日本ペイントHD(4612)
- 舶用塗料のラインナップを幅広く展開。
- JFEホールディングス(5411) / 日本製鉄(5401)
- 高張力鋼(ハイテン)など造船用厚板を供給。
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