📉 PCメモリーの値上がりについて
PCメモリー(DRAM)の価格は、2025年後半から急激に上昇しています。特に2025年10月以降、その上昇が加速し、製品によっては9月時点と比べて2倍から3倍以上に値上がりしているものもあります。
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💡 値上がりの主な原因
この急激な価格高騰は、単なる一時的なものではなく、構造的な需要増と供給体制の変化が背景にあります。主な要因は以下の通りです。
- AI関連サーバー需要の爆発的増加:
- ChatGPTなどの生成AIサービスや大規模言語モデル(LLM)の学習・推論には、大量の高容量DRAMが不可欠です。
- 世界的なビッグテック企業がAIデータセンターへの投資(CapEx)を大幅に増やしており、サーバー向けメモリの需要が供給を大きく上回っています。
- サプライヤーの生産シフトと旧世代品(DDR4)の供給逼迫:
- AI向けの高付加価値なメモリ(HBMや最新のDDR5)への生産リソースのシフトが進んでいます。
- この結果、従来のPCや民生機器で使われるDDR4などの旧世代品の供給が逼迫し、スポット価格が高騰する市場の歪みが生じています。
- 特にDDR5では、高クロック・大容量モデル(64GBキットなど)から供給が厳しくなり、価格上昇が顕著になっています。
🗓️ 今後の見通し(2026年に向けて)
- 高止まりの可能性: 2026年もメモリ価格は高止まりする可能性が非常に高いと予測されています。一部の予測では、上昇トレンドが2028年まで続く可能性も指摘されています。
- さらなる値上げの懸念: 2025年第4四半期に加えて、来年初めにはさらに価格が上昇する可能性もあります。
- PC製品への影響: メモリの高騰は、自作PCパーツだけでなく、完成品のPC(DellやLenovoなど)の価格にも反映され始めており、メーカーによっては最大15%〜20%の値上げの警告も出ています。
現在の価格高騰は、特にAI関連の需要増加が大きな要因となっているため、AI向け高帯域メモリ(HBM)や最新DRAM(DDR5)に関連する企業が注目されています。
主な関連銘柄を日本と海外に分けてご紹介します。
🇯🇵 日本の注目関連銘柄
1. メモリ向け製造装置・検査装置関連
メモリ価格高騰の背景にあるHBM(High Bandwidth Memory:高帯域メモリ)の需要拡大は、製造に必要な装置メーカーに大きな恩恵をもたらします。
| 銘柄コード | 企業名 | 関連性 |
| 6871 | 日本マイクロニクス | ウエハー検査工程で用いられるプローブカードを主力とし、メモリー向けでは世界シェアトップ。HBM需要拡大の恩恵。 |
| 6857 | アドバンテスト | 半導体テスター(検査装置)で世界屈指。DRAM向けで世界トップシェアを誇り、AI向けGPUを製造するNVIDIAとの取引実績も豊富。 |
2. 半導体商社・産業用メモリ関連
大手メモリメーカーの製品を取り扱い、市況回復の恩恵を直接受ける商社や、産業用メモリを扱う企業も注目されます。
| 銘柄コード | 企業名 | 関連性 |
| 2737 | トーメンデバイス | 韓国のサムスン電子のメモリーなどを国内外に販売する半導体商社。メモリー価格急騰で収益性が向上し、業績を上方修正しています。 |
| 6862 | ミナトホールディングス | 産業用メモリーの供給や、国内大手メーカーのデバイスへのROM書き込みサービスなどを展開。メモリー市況高の恩恵を受けています。 |
| 6840 | AKIBAホールディングス | 半導体関連事業を手掛けており、メモリー高騰を受けて株価が動意づく場面がありました。 |
🌍 海外の主要メモリメーカー(DRAM/NAND)
メモリーの値上がりで最も直接的に恩恵を受けるのは、DRAM/NANDフラッシュメモリを製造する大手メーカーです。
| 銘柄コード | 企業名 | 市場 | 関連性 |
| MU | マイクロン・テクノロジー | NASDAQ(米国) | 世界3大DRAMメーカーの一角。AIコンピューティング向けに高性能DRAM(HBM3eなど)を供給。 |
| 005930 | サムスン電子 | 韓国取引所 | 世界最大のメモリメーカーであり、DRAMとNANDの両方で大きなシェアを持つ。 |
| 000660 | SKハイニックス | 韓国取引所 | HBM市場で先行しており、AI向け高性能メモリの主要サプライヤー。 |
| SNDK | サンディスク | NASDAQ(米国) | フラッシュメモリ(NAND)の大手。NANDフラッシュメモリの契約価格の大幅値上げも報じられています。 |
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