ゴライアスクレーンについてと、その関連銘柄についてご説明します。

1. ゴライアスクレーンとは

ゴライアスクレーン(Goliath Crane)は、移動式の巨大な門型(橋形)クレーンです。

その名称は、旧約聖書に登場する巨人兵士「ゴリアテ(Goliath)」に由来しており、その名にふさわしい圧倒的なスケールを持っています。

特徴と用途

項目詳細
構造ドック(船渠)の両側に脚を設け、その上部に巨大な桁(ガーダー)を持つ門型。レール上を走行して移動できます。
規模スパン(横幅)が100mを超えるものも多く、高さは数十メートル(30階建てビルに相当するものも)。
能力揚重能力が非常に大きく、数百トンから1,000トン以上の巨大な船体ブロックを吊り上げることが可能です。
主な用途造船所の建造ドック。巨大な船殻ブロック(船のパーツ)の運搬、反転、ドック内での搭載・組み立てに使用されます。
役割船体ブロックの大型化を可能にし、ドック内での建造期間を短縮するなど、造船所の生産性向上に大きく貢献する造船所のシンボル的な存在です。
特殊能力2台のクレーンを連携させて、さらに重いブロックを運ぶ「共吊り」も可能です。

2. ゴライアスクレーンの関連銘柄

ゴライアスクレーンに関する銘柄は、主にクレーンを製造・納入するメーカーと、それを導入・利用する主要な造船会社に分けられます。

A. 製造メーカー(直接関連)

ゴライアスクレーンは特殊な技術が必要なため、製造できる企業は限られています。

銘柄(コード)会社名関連性
6302 (東証PRM)住友重機械工業傘下の住友重機械搬送システムが、国内の大型ゴライアスクレーン市場で高いシェアを持ち、**「国内唯一のメーカー」**として紹介されることもあります。造船所への納入実績が豊富です。
7003 (東証PRM)三井E&S旧三井造船の流れをくみ、港湾物流システム(クレーンなど)事業を持っています。造船能力増強の文脈で、その技術力やクレーン事業が注目されることがあります。
7011 (東証PRM)三菱重工業過去には自社工場向けなどに国内最大級のゴライアスクレーンを導入・製造しており、巨大クレーン技術を有しています。(ただし、産業用クレーン事業の一部は住友重機械搬送システムに統合されています。)

B. 主要な造船会社(利用者側)

ゴライアスクレーンの導入は、造船業界の設備投資や競争力強化の動きの象徴であり、以下の企業がその恩恵を受けると見られます。

銘柄(コード)会社名関連性
7014 (東証STD)名村造船所中堅造船会社。造船需要の増加や能力増強のニュースで関連株として浮上しやすい銘柄の一つです。
7012 (東証PRM)川崎重工業総合重機大手。潜水艦などの高付加価値船を手掛け、造船事業が関連します。
7018 (東証STD)内海造船中堅造船会社。造船業界の再編や設備投資のテーマで関連性が指摘されます。

C. 造船関連の周辺企業

造船所の稼働率や設備投資が増加することで、以下の関連企業も恩恵を受ける可能性があります。

銘柄(コード)会社名関連性
4617 (東証PRM)中国塗料船舶用塗料の大手。造船量増加に伴う需要増が見込まれます。
6016 (東証STD)ジャパンエンジンコーポレーション船舶用エンジンメーカー。新造船需要の増加が業績に直結します。

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