ファースト・ブランズ・グループ (First Brands Group, LLC) は、米国の主要な自動車アフターマーケット部品サプライヤー(自動車部品メーカー)です。近年、積極的な買収による負債と財務上の不透明さから、経営破綻しました。
企業概要と事業内容
- 業種: 自動車アフターマーケット部品の製造・供給
- 主な製品・ブランド:
- FRAM (フィルター)
- TRICO (ワイパーブレード)
- Autolite (スパークプラグ)
- Raybestos (ブレーキソリューション)
- Cardone (リビルド部品)
- その他、様々な自動車部品を世界中に供給していました。
- 成長戦略: 2013年の設立以来、多額の負債を活用した積極的なM&A(企業買収)を通じて急速に成長し、巨大な部品メーカーの複合企業となりました。
経営破綻(倒産)の経緯
ファースト・ブランズ・グループは、2025年9月に米国連邦破産法第11章(日本の民事再生法に相当)の適用を申請しました。
- 破綻の主因:
- 巨額の負債: 積極的な買収戦略により、負債総額が100億ドル~500億ドル(推定)にも膨らみ、財務状況が逼迫していました。
- オフバランスシート取引の不透明性: 特に、売掛債権を売却して資金調達を行う**ファクタリング(サプライチェーン・ファイナンスの一種)**といったオフバランスシートの借入に大きく依存しており、その開示が不透明であったことが金融機関の懸念を引き起こしました。
- 不正疑惑: 貸し手側が同社の財務開示や収益性について懸念を示し、不正会計や担保の二重計上の疑惑が浮上しました。その結果、資金繰りが急激に悪化しました。
- 創業者の辞任: 破産申請後、会計スキャンダルと多額の資金不足疑惑を受け、創業者兼CEOが暫定CEOに交代し辞任しました。
- 現在の状況:
- 破産法第11章の適用により、事業は直ちに清算されるのではなく、再建または売却を目指して継続されます。
- 事業継続のための**DIPファイナンス(債務者管財融資)**として、11億ドルを確保しました。
- 破綻の直前に米国の自動車ローン会社トライカラー・ホールディングスが破綻したこともあり、この2社の破綻は、高レバレッジ企業やプライベートクレジット市場のリスクに対する懸念を高める要因となりました。
開業2002年。
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