ソニーG スピンオフで事業再編

ソニーグループは、金融子会社のソニーフィナンシャルグループ(FG)を東京証券取引所プライム市場に上場させます。これは、ソニーGが一部出資を維持したままソニーFGの株式を株主に分配し、新株を発行せずに直接上場させる、日本では初めての「パーシャルスピンオフ」という手法です。

株主への影響と留意点
ソニーFG株の取得

ソニーFG株を取得するには、9月26日(権利付き最終売買日)までにソニーG株を購入する必要があります。

10月1日にソニーGの株主に対し、1株あたり1株の割合でソニーFG株が現物配当されます。

この現物配当では、株主にみなし配当課税や譲渡損益課税はかかりません。

取得したソニーFG株は、上場日の9月29日から売却可能になります。

ソニーG株の価格変動

ソニーFG株の上場により、ソニーGの株価は理論上、ソニーFGの株価分だけ下落します。

具体的には、中間配当金(12円50銭)と、東証が定めるソニーFGの「板中心値段」の合計額が、9月26日の終値から引かれて、9月29日の基準価格となります。

市場の予測では、ソニーFGの株価は100円台後半から200円台半ばと想定されており、ソニーGの株価はおよそ150円から250円程度下落する見込みです。

税務上の注意点
ソニーFG株を売却して利益が出た場合、通常の株式売買と同様に課税対象となります。

この際、税務上の簿価に注意が必要です。ソニーFG株の簿価は、スピンオフ前のソニーG株の簿価に「分配資産割合(見込み値0.206)」を乗じて算出します。

この計算方法により、ソニーFGの簿価が上場後の株価よりも高くなるケースがあり、受け取ったソニーFG株が含み損となる可能性があります。

一方で、ソニーG株の簿価は下がるため、結果としてソニーG株の含み益が膨らむ可能性もあります。

最終的に、ソニーGとソニーFGの株価の合計がスピンオフ前 のソニーG を上回れば、今回の再編が市場に評価されたといえます。

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