イーロン・マスク氏率いるスペースX(SpaceX:ティッカー SPCX)が、今週2026年6月12日(金)に米国NASDAQ市場へ上場(IPO)する予定であることが正式発表されました。
今回のIPOは、スターリンクだけでなく、親会社であるスペースX全体(年初のxAI吸収合併分を含む「宇宙×防衛×AI」の巨大アセット)での上場となり、想定時価総額は最大2兆ドル(約300兆円)規模、調達額も最大800億ドルという「人類史上最大のIPO」になります。
これを受けて国内ネット証券(楽天、SBIなど)でも異例の「米国株IPOのブックビルディング(需要申告)」が6月5日から始まっており、市場の熱気は最高潮に達しています。この歴史的な上場局面において、ダイレクトに動く関連銘柄を3つのアングルで整理しました。
1. 上場初日からダイレクトに連動する銘柄(直接・間接投資)
① スペースX(SPCX)そのものへの参戦
- 仮条件・上場日: 1株あたり135ドルを目安に調整中、6月12日(金)に上場予定。
- 国内での取引: 楽天証券やSBI証券で事前に公開価格での抽選申し込みが始まっているほか、PayPay証券が上場初日の100円投資対応を発表、IG証券も初日からCFD取引を開始予定としています。
② 間接保有・ポートフォリオ企業
- ベイリー・ギフォード(英国の資産運用会社) 未上場時代からの筆頭株主。同社が運用する投資信託(日本の「ベイリー・ギフォード世界成長企業ファンド」など)や、ロンドン上場の投資会社(スコティッシュ・モーゲージ:SMT)の純資産価値(NAV)には、上場後の市場価格がリアルタイムで直撃します。
2. スターリンクの国内展開・実装を担う「通信キャリア」
スターリンクの売上高は直近で123億ドル(スペースX全体の約7割)に達しており、今回のIPOの最大のエンジンです。上場資金で「Direct-to-Cell(スマホと衛星の直接通信)」や「宇宙データセンター(衛星エッジAI)」のインフラ投資が加速するため、国内の窓口企業には強烈な実利が伴います。
- KDDI(9433) スペースXの国内最大級の「戦略的パートナー」。スマホ直接通信サービスの商用化に向けて最も深く食い込んでおり、上場を機に「宇宙通信インフラの本命」として最も資金が向かいやすいシンボルです。
- ソフトバンク(9434) 法人・自治体向けにスターリンクの導入を猛烈に進めています。実務アセットとしての衛星通信の稼働において、KDDIと完全に火花を散らす形になります。
3. 防衛・「HALO(重厚長大・低陳腐化)」の国策素材・部品
時価総額300兆円の巨大「宇宙・防衛・AI」企業が市場に出現することで、日本の「物理アセット」や「ニッチトップ素材」のバリュエーション(割安度)が強烈に意識され、資金が還流する可能性が高まっています。
- 三菱重工業(7011) / IHI(7013) スペースXが「民間の覇者」として時価総額を顕在化させることで、日本の宇宙防衛・ロケット(H3等)の自立化を担う国策アセットとして、改めて比較買い(見直し買い)が入りやすいセクターです。
- ステラケミファ(4109) 半導体製造だけでなく、宇宙航空や最先端電池のハイエンド領域に不可欠な「超高純度フッ化物」の技術を持つ絶対王者。
- オハラ(5218) 極限環境(宇宙・露光装置)に耐える低膨張ガラスで独壇場のニッチトップ。スペースXが推進する「精密な宇宙インフラ・衛星端末」の高度化という文脈で、隠れた技術アセットとしてマークされます。
株屋の視点:上場初日の歪みに注目 今回のIPOは全体の約4分の1が個人投資家向けに開放されるという異例の構造(通常は機関投資家が独占)になっており、上場初日は凄まじい大商いとボラティリティ(価格変動)が予想されます。
お祭り騒ぎの「短期的な資金の乱高下」を狙うのか、あるいはこれを機に宇宙・防衛・ハイエンド素材といった「下値の堅い物理アセット」への長期的な還流を狙うのか。12日の大引けに向けて市場全体の資金シフトがどう動くか、非常に見応えのある1週間になりそうです。
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